高槻市で屋根リフォーム、カバー工法vs葺き替え徹底比較！自宅にはどっち？

2025年4月30日

1. はじめに：屋根の寿命が来たら…二つの主要な選択肢

屋根材の寿命が近づいてきたり、雨漏りが頻繁に発生するようになったり、あるいは築年数が経過して屋根全体のメンテナンスが必要になったりしたとき、部分的な修理では対応しきれない場合があります。その際、屋根全体を新しくする「屋根リフォーム」を検討することになりますが、主な工法として「カバー工法」と「葺き替え」という二つの選択肢があります。

どちらの工法も屋根を刷新するものですが、その方法、費用、メリット、デメリットは大きく異なります。高槻市にお住まいで、ご自宅の屋根リフォームを検討しているものの、「どちらを選べばいいのか分からない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、屋根リフォームの二大工法である「カバー工法」と「葺き替え」について、それぞれの特徴、メリット・デメリット、費用、そしてご自宅にとってどちらが適しているかを判断するためのポイントを、徹底的に比較しながら解説します。

2. 屋根リフォームの主要工法：カバー工法と葺き替えとは？

まずは、それぞれの工法がどのような工事なのかを理解しましょう。

2.1. カバー工法（重ね葺き）

どのような工事か: 既存の屋根材を撤去せず、その上から新しい防水シート（ルーフィング）を敷き、さらにその上から新しい屋根材（主に軽量な金属屋根材）を重ねて設置する工法です。「重ね葺き」とも呼ばれます。
適応できる屋根: 主に軽量な既存屋根材（化粧スレート瓦、アスファルトシングル、古い金属屋根など）に対して行われます。**重い瓦屋根（日本瓦やセメント瓦など）の上には原則として行えません。**これは、屋根の重量が増加し、建物への負担が大きくなりすぎるためです。
特徴: 既存の屋根材の撤去・処分費用や手間がかからない点が大きな特徴です。

2.2. 葺き替え

どのような工事か: 既存の屋根材、防水シート、場合によっては瓦桟（瓦を引っ掛ける木材）などをすべて撤去し、下地である野地板（のじいた）の状態を確認・補修・交換した上で、新しい防水シート、新しい瓦桟（必要な場合）、そして新しい屋根材を設置する工法です。
適応できる屋根: ほぼ全ての種類の屋根材に対して行えます。既存屋根材の種類に関わらず、新しい屋根材（瓦、スレート、金属など）に交換可能です。
特徴: 屋根の下地まで確認・補修できる点と、既存屋根材を撤去して新しいものに置き換えるため、屋根材の種類を変更したり、屋根を軽量化したりできる点が特徴です。

3. 徹底比較！カバー工法 vs 葺き替え：メリット・デメリット

二つの工法を様々な観点から比較してみましょう。

比較項目	カバー工法（重ね葺き）	葺き替え
工事内容	既存屋根の上に重ねる	既存屋根材を全て撤去し、下地からやり直す
工期	短い傾向（既存材撤去がないため）	長い傾向（既存材撤去と下地確認・補修があるため）
費用	安い傾向（撤去・処分費用がほぼかからないため）	高い傾向（材料費、労務費、廃材処分費がかかるため）
屋根の重量	重くなる（既存材＋新しい材）	軽くできる（重い材から軽い材へ変更可能）または同じ重さ
耐震性への影響	増加（重くなるため）	向上（軽い材へ変更した場合）または変化なし
下地補修	限定的（既存材の上からの補修のみ）	可能（既存材撤去後に徹底的に補修・交換できる）
雨漏り対策	防水シート二重の効果 + 新しい屋根材	下地から全て刷新するため、根本的に解消
屋根の寿命	新しい屋根材の寿命まで（既存材の状態による制約も）	新しい屋根全体システムとして寿命がリセットされる（長い）
選べる屋根材	主に軽量な金属屋根材に限られる	ほぼ全ての種類の屋根材から選べる
廃材	少ない（ほぼ梱包材など）	多い（既存屋根材が産業廃棄物となる）
アスベスト対策	既存材を撤去しないため、飛散リスクを抑制できる	既存材撤去時に飛散対策が必要（アスベスト含有の場合）
将来のメンテ	次回は既存2層＋新しい層を全て撤去して葺き替えが必要になる	再度葺き替えが可能
適応条件	既存が軽量屋根材で下地が健全であること	既存屋根材の種類を問わない。下地劣化にも対応可能

4. 自宅にはどっち？高槻市での判断ポイント

ご自宅にカバー工法と葺き替えのどちらが適しているか、高槻市で判断する際のポイントは以下の通りです。

【最重要】既存屋根と下地の状態:
- 下地に腐食や大きな傷みがなく、既存屋根材（スレート、金属屋根など軽量なもの）の劣化が表面的な場合: → **カバー工法も選択肢に入ります。**費用を抑え、工期を短くできます。
- 雨漏りがしている、下地（野地板や垂木）が腐食している、屋根がたわんでいるなど、構造的な問題がある場合: → **下地を根本から補修できる「葺き替え」が必須です。**カバー工法では根本解決できません。
- 既存屋根材が重い瓦屋根の場合（日本瓦、セメント瓦など）: → 重量が大幅に増えるため、カバー工法は原則として行えません。「葺き直し」（瓦を再利用し下地補修）か「葺き替え」（新しい屋根材に交換）のどちらかになります。
予算:
- 初期費用を抑えたい、かつ下地が健全でカバー工法が可能な場合: → カバー工法が有利です。
- 費用はかかっても良いので、屋根を完全に新しくしたい場合: → 葺き替えです。
耐震性・軽量化:
- 特に古い木造住宅で、屋根を軽くして建物の耐震性を向上させたい場合（重い瓦屋根からの改修など）: → 葺き替えで軽量な金属屋根などに交換することが必須です。カバー工法では軽量化できません。
屋根の寿命をどこまでリセットしたいか:
- あと15年～20年程度持たせたい場合（既存材や下地の状態による）: → カバー工法も検討できます。
- 屋根全体の寿命を新築時に近い状態に戻し、長期的な安心を得たい場合: → 葺き替えです。
アスベスト含有スレートの場合:
- 既存のスレートにアスベストが含まれており、撤去費用や飛散リスクを抑えたい場合: → カバー工法は既存材を撤去しないため、飛散リスクを低減できます。（ただし専門業者の適切な工法が必要です。また、将来的に撤去は必要になります。）
好みの屋根材に変えたい:
- 瓦から金属屋根にしたい、スレートから瓦にしたいなど、既存と異なる種類の屋根材にしたい場合: → 葺き替えが必要です。

5. プロに診断してもらうことが不可欠

カバー工法と葺き替え、どちらを選ぶべきかを判断するためには、屋根の表面的な状態だけでなく、屋根の下地がどのような状態にあるのかを正確に診断することが最も重要です。下地の腐食や劣化は、素人では判断できません。

高槻市内で屋根リフォームの実績が豊富な、信頼できる専門業者に依頼し、屋根全体（屋根材、防水シート、下地）の精密な点検を行ってもらいましょう。プロであれば、それぞれの工法の適否、必要な下地補修の範囲、そしてそれぞれの工法にかかる正確な費用を診断し、提案してくれます。複数の業者から診断結果と見積もりを得て、比較検討することが、ご自宅にとって最適な工法と業者を選ぶための鍵となります。